実際にお金を賭けて遊べるネット上のギャンブルとして近年話題のオンラインカジノ。
実際のディーラーとの心理戦を楽しみながらリアルタイムでベットを行うテーブルゲームや、一発で数千倍の配当を獲得できるビデオスロットなどのさまざまなゲームが存在し、世界中のギャンブラーによってプレイされていることでも有名です。
近年では日本人プレイヤーも増えており、それに伴って日本語対応をしたり日本人向けのゲームを提供したりするオンラインカジノも増えてきています。
では、私たち日本人がオンラインカジノで利益を出した場合どのように税金が発生し、どのように確定申告が必要になるのかはご存知でしょうか?
この記事では、オンカジにおける税金の考え方や、確定申告について解説していきます。
「知らないうちに脱税の容疑にかけられていた...」とならないためにも、すでにオンラインカジノをプレイしている人はもちろん、これからオンラインカジノで遊びたい人は必ず確認しておきましょう。
目次
オンラインカジノで得た賞金は日本で課税されるのか?
オンラインカジノで遊ぶ多くの日本人プレイヤーにとって、最も気になるのがカジノで得た賞金に対する税金問題ではないでしょうか?オンカジノの税金対策、知っておきたいですよね。
まず、結論から言うと、オンラインカジノで得た賞金には税金がかかります。
時間や場所を気にせずに気軽に遊べるオンラインカジノは、どこかゲームのような感覚になってしまいがちですよね。しかし、現実のお金を賭けて賞金を獲得するという流れがある以上れっきとしたギャンブルであり、税金が発生するのです。
これはオンラインカジノに限らず、競馬や競輪・競艇やパチンコなどでも同じで、日本で遊べるギャンブルで得た利益には原則として税金がかかるのです。
では、オンラインカジノで得た賞金はどのように税金がかかるのでしょうか?
ここでは、日本におけるオンラインカジノの賞金の区分について解説していきます。
オンラインカジノで得た賞金は一時所得として課税される
日本では、オンラインカジノをはじめとするギャンブルで得た賞金は一時所得として分類・課税されます。
一時所得は、名前の通り一時的な収入のことで、アルバイトや会社員・サラリーマンで得る収入である給与所得とは全くの別物です。そのため、オンラインカジノで得た賞金と働いて得た収入では、課税方法が違うので注意しましょう。
一時所得には50万円の特別控除というものがあり、利益が50万円以下の場合には税金がかかりません。つまり、1年の間にオンラインカジノやギャンブルで得た賞金総額が50万円に満たない場合税金は発生しないのです。
オンラインカジノで得た賞金が雑所得になることもある
オンラインカジノで得た賞金は基本的に一時所得として分類されます。しかし、オンラインカジノでの賭けを投資として行う場合・事業として行う場合には例外として雑所得に区分されることがあります。
所得区分が雑所得になると、オンラインカジノでのベット額や通信費などを経費として計上できるというメリットがあります。ただし、ほとんどのプレイヤーは趣味や娯楽としてオンラインカジノで遊んでいるので、気にする必要はないでしょう。
一時所得と雑所得の違いについては、「オンラインカジノの損失は税金控除の対象になるか?」の項目で解説しているので、詳しくはそちらからご確認ください。
オンラインカジノの税金はどのように計算されるのか?
オンラインカジノで得た賞金には税金がかかることが分かりましたが、具体的にはどのタイミングで、どのように税金がかかるのでしょうか。ここからは、オンラインカジノで税金がかかるタイミングや、オンラインカジノにおける税金の計算方法について解説していきます。
オンラインカジノの賞金にかかる税金はいつ払うべきか?
オンラインカジノでは賞金を獲得したタイミングで課税対象となる一時所得が発生し、翌年の確定申告の時に税金を支払います。
ただし、勝利金を口座に移動するまでは税金の支払い義務が発生しません。というのも、税務署は銀行口座やクレジットカードでの取引履歴を元に課税金額を調査するため、勝利金を移動させるまでは一時所得が発生したことが分からないからです。
ですが、自由に使えるオンラインカジノでの賞金をそのままにして引き出さないプレイヤーはいないでしょう。
そのため、基本的には、賞金を獲得したタイミングで税金がかかり、確定申告時に税金を支払うと覚えておきましょう。
オンラインカジノの損失は税金控除の対象になるか?
オンラインカジノでは、賞金を獲得することもあれば、運悪く損失ばかり増えていくこともあるでしょう。
では、オンラインカジノで発生した損失は、どこまでが控除の対象になるのでしょうか。この疑問を解決するためには、オンラインカジノで得た賞金が一時所得として区分されることが重要になってきます。
例えば次の例をみてみましょう。
オンラインカジノでの1年間の損益 | |
---|---|
勝利金(利益=的中した払い戻し額-ベット額) | 100万円 |
損失金(損失=的中しなかったベット額) | -110万円 |
トータルの損益 | -10万円 |
この場合「1年間を通しての損益が-10万円なので、税金はかからないだろう」と思う方が多いかもしれませんが、実は違います。その理由は、オンラインカジノでの利益が「一時所得」に分類されるからです。
下記の表を見ると分かりますが、この一時所得で経費として控除できるのは「利益に直接関係ある支出のみ」になっています。
一時所得 | 雑所得 | |
特徴 | 労働以外で得た一時的な所得 | どの所得にも該当しない所得 |
経費にできる範囲 | 利益に直接関係のある支出のみ →利益が発生したベットのみ経費になる | 広い範囲で経費になる→利益が発生したベット以外の賭けも含めてすべてが経費になる |
つまり、今回の例における、利益に直接関係ある支出とは、勝利金が発生した際のベット額になるのです。そのため、実際に課税対象になる利益は下の表の赤字の部分になります。
オンラインカジノでの損益 | |
---|---|
勝利金(利益=的中した払い戻し額-ベット額) | 100万円※この額が課税対象 |
損失金(損失=的中しなかったベット額) | -110万円※税金とは無関係 |
トータルの損益 | -10万円※税金とは無関係 |
このように、オンラインカジノにおける利益は「1年間の勝利金」のみを指すので、トータルでマイナスであっても、50万円以上の勝利金があれば税金がかかります。
つまり、トータルでいくら損失を出していても、控除されるのは勝利金が発生した時に賭けた額のみとなるのです。誤った認識でいると、後々脱税の容疑をかけられてしまう可能性もあるので注視しましょう。
オンラインカジノにおける税金の計算方法
オンラインカジノにおける税金は、「一時所得」「一時所得の課税対象額」「所得税」の順番で計算していきます。
一時所得の計算方法は
- 一時所得の金額=(利益-利益を出したゲームにベットした額)-特別控除50万円
先ほどの例をそのまま使うと「100万円-50万円=50万円」なので、50万円が一時所得となります。
次に、一時所得の課税対象額です。一時所得の課税対象額は一時所得の50%なので、「一時所得の課税対象額=一時所得×50%」と計算ができて、先ほどの例をそのまま使うと「50万円×50%=25万円」なので、25万円が課税対象額となります。
ここまで分かれば、最後に所得税を計算すれば自分がいくら支払うかが分かります。
所得税の計算方法は
- 所得税={(一時所得の課税対象額)+(給与所得等の所得)」}-(各種所得控除額)×税率
で求められます。
今回の例で給与所得等が無く、所得の合計が25万円のみの場合「(25万円-0円)×5%=1万2千500円」なので、12,500円を税金として発生するのです。
税率や控除額は年間の所得によって異なるので詳しくは国税庁のHPから確認しするようにしましょう。
オンラインカジノで得た賞金に確定申告は必要なのか?
オンラインカジノで得た賞金には、原則確定申告の必要がありますが、以下の場合は例外です。
- 年間の勝利金が50万円以下の場合
- 年間の勝利金が90万円以下の場合(※給与所得者に限る)
オンラインカジノで得た賞金は一時所得として扱われ50万円の特別控除があるため、年間での利益が50万円以下の場合には税金が発生しません。
また、給与所得者の場合は給与所得以外の所得の合計が20万円以下の場合、税金はかからず確定申告も不要になります。
ここで言う給与所得以外の所得は「一時所得の課税対象額=一時所得×50%」であり「一時所得=(利益-利益を出したゲームにベットした額)-特別控除50万円」なので、逆算すると90万円までの賞金なら確定申告が不要になるのです。
自身の所得の状況に応じて「50万円 or 90万円」の壁を超えた際に確定申告が必要になると覚えておきましょう。
まとめ:オンラインカジノにおけるの税金の仕組みを理解して、安全にギャンブルを楽しもう!について知っておくべきこと
オンラインカジノは、実際に存在するお金を賭けるギャンブルの1種で、獲得した賞金の額によっては税金が発生します。
「どのように税金がかかるのか?」「確定申告は必要なのか?」という疑問について、この記事でしっかりと解説しているので、不安な方は理解するまで読み返すのがおすすめです。
オンラインカジノにおける税金の仕組みを理解して、安心安全なオンカジライフを楽しみましょう。
オンラインカジノの税金にまつわるよくある質問
最後にオンラインカジノにおける税金や確定申告にまつわるよくある質問を紹介していきます。